iPhone 用メモアプリ Drafts の自分なりの使い方をお伝えしていくシリーズ企画「Drafts と歩む日常」。前回は準備編として設定画面を日本語訳してみました。今回から具体的な利用シーン別の話に移ります。まずは日々の連絡手段として欠かせないメールについて、Drafts を常用している理由を綴ります。
Drafts と歩む日常
- vol.0—準備編(設定画面の日本語訳)
- vol.1—メール編
- vol.2—バックグラウンドメール編
- vol.3—SNS 編
- vol.4—Due 連携編
- vol.5—カレンダー編
- vol.6—リマインダー編
今回の目次
- メールを送る場面
- Drafts からメールを送信
- 下書きコピー→メールアプリ起動を自動化
- よくメールする相手を Drafts に登録
- Launch Center Pro の活用
- まとめと登場したアプリたち
メールを送る場面
自分は iPhone に iCloud メールを同期させて、知人との連絡などに利用しています。そして、短い返信を除けば、ほとんどのメールを Drafts で作成しています。
メールを送信する場面には、おおむね次の3つのケースがあります。
- 自分からメールを送る
- 届いたメールにすぐに返信する
- 届いたメールに後から返信する
このうち2番についてはメールアプリの中で済ませるのが普通ですが、1番と3番は必ずしもメールアプリの中で行う必要はありません。むしろ Drafts を使った方がはるかに効率的に作成、送信できるケースもよくあります。
Drafts からメールを送信
Drafts は左右スワイプでカーソルを移動できるのでテキストの入力がしやすいですし、何もしなくてもアプリ内にメモを保存してくれます。
メールアプリのように保存ボタンを押したり、続きを書く時に下書きフォルダを開きに行ったり、といったことをする必要がありません。メールの下書きをするには最適の環境です。
定型のフレーズを入力する機会が多い人は、Drafts に最初から備わっている TextExpander 連携を使うとメール作成が捗ります。また、ATOK Pad との連携機能も自分で追加することができます。
メールの下書きを終えたら、Drafts に初期状態で登録されている「Email」アクションを実行します。Drafts の中でメール送信画面が起動するので、宛先を選んで送信ボタンをタップ。これでメールが送信されます。この間、メールアプリを開く場面はありません。
下書きコピー→メールアプリ起動を自動化
3番のような受け取ったメールに後から返信する場合、Drafts で下書きをしつつも、念のために相手のメールを読み返した上で返信したい、といったケースもあります。
そんな時は、Drafts で作成したメールの下書きをコピーして、メールアプリを起動します。
Drafts にはもともと「Copy to Clipboard」アクションがあり、ワンタップでメモの全文をクリップボードにコピーできます。あとはメールアプリの側が URL スキームによる起動に対応していれば、自分でアクションを追加して、コピー→メールアプリ起動までをワンタップで自動的に実行できます。
標準の「メール」アプリには起動用の URL スキームがあるので、次のアクションが使えます。Drafts がインストールされている iOS デバイスでインポートリンクをタップすると Drafts にこのアクションを自動的にインポートできます(アクションの名前はインポート後、自由に変更できます)。
Copy to Mail.app: インポート
drafts://x-callback-url/create?text=[[draft]]&action={{Copy to Clipboard}}&afterSuccess=Delete&x-success={{message:}}
自分はメールアプリとして Dispatch を使っているので、こちらのアクションを登録しています。
Copy to Dispatch: インポート
drafts://x-callback-url/create?text=[[draft]]&action={{Copy to Clipboard}}&afterSuccess=Delete&x-success={{dispatch:}}
関連記事:
Sparrow 用だと次のようになります(メール作成画面を開かず、Sparrow を起動するだけのスキームです)。
Copy to Sparrow: インポート
drafts://x-callback-url/create?text=[[draft]]&action={{Copy to Clipboard}}&afterSuccess=Delete&x-success={{fb124059057672479:}}
よくメールする相手を Drafts に登録
もし同じ相手によくメールを送るようなら、あらかじめその人のアドレスを指定したメールアクションを自分で作って、Drafts に登録しておくと便利です。
それには設定画面から「CUSTOM ACTIONS」→「Email Actions」を選択します。
アクションの新規登録画面では、「Name」にアクションの名前、「To」にメールアドレスを入力します。「+」ボタンをタップすれば iPhone に入っている連絡先から簡単に登録できます。
「Subject」はメールの件名についての設定です。「Predefined」は、自分で指定した言葉をいつも件名として使う場合に選びます。その言葉は「predefined subject line」のスペースに入力します。ここを空欄のままにしておけば、件名も空欄になります。「First Line」なら、Drafts で書いた下書きの1行目が件名になります。
自分で追加したオリジナルのメールアクションは、デフォルトの「Email」アクションとはアイコンの色が違うので見分けやすいです。アクションを実行すると、メールアドレスが入力された状態でメール送信画面が表示されます。
Launch Center Pro の活用
Drafts は基本的にテキストを扱うアプリなので、単独ではメールに写真を添付することができません。これについては、URL スキームが豊富なランチャーアプリ Launch Center Pro の力を借ります。
また、クラウドサービスの Dropbox に保管しているファイルをメールで相手と共有したい場合も、Launch Center Pro と連携させれば、共有リンクを Drafts で書いているメールの下書きに挿入できます。
iPhone で最後に撮った写真を送る
Launch Center Pro には iPhone で最後に撮影した写真(1枚)を添付してメールを送信できる機能があるので、それを URL スキームを使って呼び出します。具体的には、次の URL アクションを使います。
Email with Last Photo: インポート
launch://x-callback-url/email?body=[[draft]]&attach=photo:last&x-success={{drafts:}}
Drafts でメールの下書きを作ってから、アクションを実行します。すると Launch Center Pro が起動し、メールの送信画面が表示されます。本文には Drafts で作成したメモが入力されていて、写真も添付されています。メールを送信すると、自動的に Drafts に戻ります。
Dropbox にあるファイルを共有
Drafts には Dropbox 上のテキストファイルの中身をメモとして読み込む機能はありますが、今のところ共有用のリンクを取得することはできません。
そこで、写真の時と同じように Lauch Center Pro の機能を URL スキーム経由で呼び出します。
Insert Dropbox Link: インポート
launch://dropbox/clipboard?linkonly=1&x-success={{drafts://x-callback-url/create?text=[[draft]]%0a[clipboard]}}
※ここでは Launch Center Pro でリンクをコピーしてから Drafts に渡すため、Drafts 用の [[clipboard]]
タグではなく、Launch Center Pro 用の [clipboard]
タグを使っています。
アクションを実行すると Launch Center Pro が起動し、Dropbox からファイルを選ぶ画面になるので好きなファイルをタップします。
Launch Center Pro が共有用のリンクを取得し、クリップボードにコピーします。その上で自動的に Drafts にコールバックし、Drafts で書いていたメモの末尾にリンクを挿入します。
あとはメールを完成させ、送信するだけです。
まとめと登場したアプリたち
メール編は以上になります。自分が使っているアクションは特別複雑なものではありませんが、これだけでもメールの作成や送信がすごく楽になります。
まとめるとこんな感じになります。
- 使い慣れた Drafts で下書きする方がメールアプリよりも効率的にテキストを入力できる
- 自分から送るメールは Drafts で送信まで済ませる
- 返信前にワンクッション置きたい時はアクションで下書きコピー→メールアプリ起動
- よくメールを送る人は Drafts に登録する
- Launch Center Pro を組み合わせるとできることの幅が広がる
最後に、今回登場したアプリたちをまとめて紹介します。